自動販売機でイタズラしてジュースを盗めば「モノ(金品)」を不正取得したことから窃盗になるが、インターネットやホテルの有料テレビでアカウントやパスワードをイタズラして無料で番組を見たり、有料サービスを不正利用しても窃盗にはならない。もちろん、ダウンロードして動画を不正に入手しても窃盗にはならない。
では、こうして違反したらどうなるか?
まず偽計業務妨害が先に働く。そして営利サービスであれば著作権法違反などがあてはまってくる。しかし著作権法にもあるように非営利サイトや非営利入手であれば著作権法による制限はない。(文化庁で指定されている通り、著作権法が不正ダウンロード違反と定める著作物は有料DVDなどの「有償コンテンツ」であり、テレビCM(代替対価)などを交換に無料放送したものは、必ずしも有料コンテンツとは呼べない、と規定している。つまりテレビ録画をインターネットでどのように扱おうと、配信サイトが非営利で、利用者も非営利であれば「文化庁の定める不正ダウンロード違反に該当する有料コンテンツ」とは必ずしも呼べないことになる。
いつも、インターネットと法律に詳しい、いろいろな裁判も傍聴してきたプロのアドバイザーのコンプライアンス講座セミナーを受講させて頂いております。90分コースですが、参加者もITでお仕事している人などもチラホラと・・・・
どのような形で入手しても、販売しなければいい、というのは国際著作権ルールの解釈で海外ではそれが常識である。いわゆるノットセールノットレンタルの原則(非営利の著作物利用の権利)
さて、アカウントや課金システムのいたずら(針金で課金を偽装したりパスワード解析でハッキングする行為)は詐欺にならず、しかも有償販売DVD映画コンテンツではないかぎり、一般テレビ放送された録画の映画やアニメであれば不正ダウンロード行為にも抵触しないわけだが、「偽計業務妨害」で問われる可能性はある。
しかし、偽計業務妨害は「罪を犯した時点から3年が時効」なので、被害者が訴えてから3年では無いので、どうやら不正にサイトにハッキングされていたことに気づき、証拠などを揃えて2年後に裁判をしても、残り1年で明確な証拠と犯行の裏付け(動機等)が得られなければ「時効成立」となる。
そもそも、にわか仕立ての、よく弁護士が裁判の期間だけでっちあげてヤラセ証拠を作って、あとづけでクライアントだけに有利にする、という手法を使って詐欺めいた行為をしているという噂を耳にするが、それもまたビジネスなのだ。
しかし3年で偽計業務妨害は時効になるし、有能な弁護士を何人も引き連れて裁判を起こすにしても、1件200万円x5人=1000万円以上は弁護士の報酬は必要になるし、相手が和解テーブルを望んで来れば、裁判費用の全額を相手に請求することも叶わないわけだから、結局のところ、よっぽどの料金が得られないものであれば(ざっくり10%換算で1億円以上の損害計算)、裁判で訴訟されるということもあまりない。
相手が1~2千万円を使ってでも、あなたを貶めたい、と願っている「キチガイな金持ち」の道楽裁判であれば訴えられることもあるが・・・
という、裁判傍聴も多いプロの方のセミナーを聞いてきました。
気になるのはYouTubeで他のサイトが解除した動画をダウンロードしたら罪になるのか?というテーマでしたが、偽計業務妨害の適用になるにしても、それはそうしたコピー禁止を解除したサイトが対象になるし、そもそもYouTubeにアップされた動画を「全画面モードで録画」して私的に利用すれば、コピー禁止の解除行為には触れないので、まったく問題は無い、とのこと。
それでも偽計業務妨害で訴える、となっても、上記のようにキチガイな金持ちが社会道楽で個人を裁判でいじめるといった可能性があるような巨万の金持サイト(GoogleやYouTube)くらいならやるかもしれないけど、そもそもアメリカのサイトなので、テレビ番組のアニメのコピーの配信は海外の著作権法では個人の私的利用であり、かつ無料配信されたアニメ番組のコピー配信は著作権違反ではないので、まったく問題なしとのこと。逆にアメリカでは「ファンサブ」という文化も著作権で認められており、テレビ局やアニメ会社が宣伝広告費がかけられないばかりに、ファンのグループがテレビ録画に独自の字幕翻訳を入れて動画をインターネットで配信し、その結果、世界中のアニメファンの目に触れることで、視聴者が増加し、よい作品が海外でテレビ放映したりグッズの販売に繋がって、広告宣伝費がわりに配信してくれる活動をむしろテレビ局や著作主が受け入れている。
商品は宣伝しなければ売れない、宣伝にこそお金がかかる
という著作ビジネスの基本原理が一般市民も企業も正しく解釈しているためだ。そのかわり、ノットセール・ノットレンタル(無料で非営利で行うこと)というルールがある。
日本では、テレビ録画でさえ、インターネットで配信したら罪になる、といったアニメの注意書きが流れていたが、どうやら文化庁から「テレビは含まれないため違法テロップに値する」と指導があったのではないか、という関連者の情報もちらほらとウワサされている。テレビ放映したものは必ずしも「有償コンテンツ」とは文化庁は認めていないため、テレビアニメの下に「インターネット放映は罪」という記述が「拡大解釈や曲解による違法行為」に相当するそうだ。
テレビ放映は関係ない。(有償コンテンツとは認められられない)
もっとも、それも著作権はここ20年で大きく様変わりしており、検索サービスや通販システムを含むサイト構成であれば、どれだけ動画やアニメや写真を含んでいようと自由に著作物を使って良い、とも定義された。
グーグルへの配慮なのだろうが、逆に自分のブログが「動画検索サービス」として名をうっていれば、いくらでも動画を流してよいことになる。グーグル動画検索が既にそうなっている。
また、日本で著作権違反にあたる行為と示されたコンテンツであれば、海外では放映出来ない。海外のテレビ局も日本のゴタゴタに巻き込まれたくないのは当然で、テレビで無料放映したアニメでさえインターネットダウンロード禁止と著作主が主張すれば、その作品は海外で放映は禁止となってしまう。(著作主が自分でクビを締めることになる)
いくら番組を作っても、広告宣伝活動への出費と、顧客の興味が無ければ、それがどれだけ高額で10億円の製作費だとしても、興味のない番組コンテンツであれば、ただのゴミである。
ゴミしか価値の無い作品で、いくらDVDを作ったところで1枚も売れない。
その売れない損害を著作権法のミノを借りて客に請求しても、余計に視聴者はドン引きしてしまい、更にその著作主の作品はどんどん敬遠されていく。テレビ局も同じ。そこに気づかないと著作権法はそもそも成立しないわけだから、需要なくして著作権は語れない。著作権ばかり主張しても、結局は誰の利益にもならなくなってしまい、せっかくの人気作品なのに、がんじがらめの著作権が仇になって、作者名を聞いただけで敬遠されたり、話題にすら上らなくなり、著作権法によって著作ビジネスがすべて破綻してしまう。
・・・なるほど、アニメファンによるファンサブによって広告活動が支えられている
製品は広告してはじめて知られ、需要の拡大は更にそこからスタート
今回のコンプライアンス講座も、またいろいろ勉強になりました!
インターネットは奥が深い! 金品ではない限り窃盗に該当する法律は一切存在しない、というのも勉強になりましたね。動画コンテンツ、不正ダウンロード、不正アカウント利用、他人名義での有料コンテンツの不正購入(不正クレジットカードハッキング)など、「現物としての金品は伴わない」ので窃盗罪には一切ならない。でも偽計業務妨害には該当する。しかし、時効は罪を犯した時点を起算に3年まで。 物的証拠が無ければサーバーのログ程度やメール交信履歴では「物的証拠」にはならない。
結局、中小企業の中堅サイトのサービスであれば、ハッキングや不正アカウントや不正クレジット損害は泣き寝入りするしかないわけですね・・・・そのためにもセキュリティの強化で被害を未然に防いだり、被害を受ける期間を短くして、早期に不正スパム客を追放して個人情報をインターネットに公開することが大事ですね。
個人情報保護法の定める「保護されるべき個人情報」は、あくまでも正規会員までと定められているので、サイトを荒らすスパムであれば、堂々と実名公開して構わないそうです。
いわゆる万引き犯の似顔絵や名前を警察やショップの入口に実名入りで貼り出すのと同じですね。別に個人情報保護する必要はありません。むしろ指名手配や事件の再発防止のため実名公開して警鐘を促すことが大事ですね!