うわさ話で良く耳にするのが「火の無い所に煙は立たぬ!」という言葉があります。
知人友人と思っていた人と関係が悪くなってくると
「君の悪い噂を耳にしたぞ。」
「私は無関係だよ。信じて欲しい」
「そういわれても、火の無い所に煙は立たぬって言うからな」
結論から言えば「火の無い所に煙は立たぬ」と言った人が「悪い噂を振りまいている本人」です。関係を悪化させて、更に不安を相手に「それらしく嘘をつく」ことで「マウント」を取りたがっている人間となります。
そもそも、この「ことわざ」が生まれたのは、インターネットやWIKIPEDIAやその他いろいろ調べると諸説ありますが、ほとんど共通の解釈が「江戸時代」ということになるようです。
また、田舎地方でおじいさんやおばあさんにも、この「ことわざ」を聞いた人もおられ、その情報は、まさに「生きた証人」ともいえるでしょう。
では、この江戸時代に「火」を考えると、当時を物語る歴史書や文学書そして専門家のホームページなどを元に証拠を積み重ねると次の答えが導けるそうです。
「江戸時代は普通の庶民の家に火(かまど)は無い」
火を扱える「台所」を有しているのは、よっぽど大屋敷で飯炊きやその他の女中も何人も抱える大金持ちであって、庶民は例外なく「ファストフード」で外食文化ということが結論付けられるそうです。
その文化で江戸の町で流行したのが「江戸前寿司」いわゆるニギリ寿司や、「ニッパチ蕎麦」いわゆるカケソバなどが主流でした。
また、銀行システムがありませんでしたので、基本的に全財産は当日のうちに消費しきらないと「殺される」という恐怖があります。箪笥やツボに小判など入れておけば、殺人強盗犯に殺されて金品を奪われるので、家具は質素そのもので、金目のものは何もない、というのが基本生活スタイルだったそうです。
当然「火」などは庶民の長屋にありません。
トイレや水もありません。基本的にトイレも井戸も共有で、わずかな飲み水くらいを長屋に持って帰るくらいで、基本的に自宅で自炊する、ということは当時は不可能に近かったそうです。(食糧だって貯めておけば強盗に押し入られて殺されます)
貯金やセキュリティというシステムが無かったので、すべての全財産を使い切ることが日課と言われていたそうです。そんな生活なので、次の言葉が生まれたそうです。
「宵越しの金は持たぬ!」(当日中に給料を使い切る!)
もちろん日払いと言われております。
そんな庶民の生活ですから「火が出る!!!」ということは、とんでもない事態だったわけです。このように、火が無い生活でしたから、長屋や町内から「火」はどこからも出ませんので「誰かに火を付けられた!」ということになります。
もちろん「家の中には火は絶対にない」ことは、いろいろな調査研究でも明白になっているそうですので、火が出たのは、誰もいない静まり返った「外の壁」と考えるのが自然です。ですので「自宅で火の操作を間違えてミス(煙)を出してしまった?」という解釈では一切ありません。囲炉裏もありませんし、寒い日は炭火も長く持たないので、近所の野良猫で暖を取った、という文献資料も多く残っているようです。
自分が火遊びでボヤを出した?と勘違いしやすいので、そういう意味では本来なかったので注意したいですね。
つまり、深夜、暗闇で誰もいないところに、突然「火」が付いて「煙」があがった、というわけです。しかも夜ですから見えません。街路灯なんてものはありませんので照明ライト(火のついたちょうちん)を持ってる人しか「煙」は見れません。火を持っていた張本人がそこにいます。
今まで火も煙も誰も見てないところに、それが生じたことを最初に知った人がいるわけです。誰も知らないわけですから、それを知った人は「第一発見者」です。
誰もいないところで、最初に「火」を見た、と他人に言うことができる「第一発見者」ですから、刑事捜査でいうところの「第一発見者は容疑者・関係者」です。
つまり「誰も知らない火や煙」を、そいつが初めて知ったわけで、それを見た(聞いた)、とも自分で証言しているわけです。
もうピンと来た人もいるでしょう!
つまり「火の無い所に煙は立たぬ」と言った人が「悪い噂を振りまいた張本人」であり犯人そのものと断定されるそうです。
そういうことで対人関係が悪くならないよう、相手の噂を聞いても、目の前の相手には言わないように配慮することが大事です、というのが本来のことわざの意味だと地元の年配者たちも言っていた、という証言もあるそうです。
相手が自分の本当に信頼を感じているなら、無罪の自分に「とどめを刺す」ような言葉を絶対に言わないはずです。自分たちの関係が悪化してしまうからです。
本当に信頼をしている相手なら、あなたが心に傷が付くのを悲しむでしょうから、あなたの前でそうしたことを言わないでしょうし、それを言った者にエビデンス(証拠)を出すように追及し、名誉棄損になるぞ、と言った相手を抗議してくれるはずです。
信頼していた友人知人と思っていた相手や、初対面の相手から「火の無い所に煙は立たぬ!」と言われたら、まさにその人が主犯人であることを即理解しましょう。
そうした質の悪い人間とは付き合わないことが肝心です。もちろん、自分から相手の悪いことを言わないようにすることも、信頼ある大人の人間として大事ですね。